ある日曜。午後4時。
メルカリで購入した初のフィルムカメラを携え、渋谷のLABIへ向かう。出品者から教えてもらった、馴染みのない型番の乾電池を購入するために。予備も含めて2つ。購入してすぐに隣のスターバックスへ。早くカメラのセッティングがしたかった僕はコーヒーに口をつけることなく、ワクワクしながら乾電池を投入。
いや、サイズ合わんやないかい。
ネットで確認すると型番を誤っていることが判明。嗚呼…1500円。しかし、背に腹は変えられない。スターバックスを一旦出て、すぐ隣のカメラのキタムラへ。今度こそ正しい乾電池を購入。スターバックスに戻り乾電池とフィルムをセット。今度こそ大丈夫。
午後5時。
とにかく今日中に36枚を撮り終え、現像とデータ化を済ませ、どんな仕上がりなのかを確認してみたい。何しろ初めてのフィルムカメラ。現像とデータ化には最低でも1時間程度必要とのこと。午後7時にはさっきのカメラのキタムラへ戻らなければならない。急ごう。僕は代々木公園に向かった。
出発。
アップリンク渋谷。悲しい。
NHK前。飛行機が轟音を響かせ、港区に向かっていく。
縄跳びとダンスを楽しむ若者たち。
犬を散歩する人と、ドッグランを眺める人たち。
光り輝くジャケットを着て公園の安全を守る人。強そう。
歩道橋でファッションスナップを撮影する女の子たち。夕日も綺麗。
歩道橋から望む渋谷。そして緊急事態宣言中の原宿は原宿。若者たちでいっぱい。
停車中の車のテールランプに惹かれてシャッターを押す。ふと隣に目をやると、同じくお姉さんも写真を撮っている。
緑の女の子と緑の自転車。キャットストリートへ。上京して10年。未だにキャットストリートの名前の由来が分からない。
スケボー青年たち。向こうには大切な友人が結婚式を挙げたホテル。
ミヤシタパーク。休館中にもかかわらず、屋上スペースには迷える若者たちで溢れる。
午後6時半。渋谷駅へ帰還。
急いで先程のカメラのキタムラへ向かう。フィルムをスタッフに手渡し、1500円を支払う。スタッフは画像ダウンロード用のQRコードがプリントされた用紙を僕に手渡しながら「現像とデータ化は明日の13時になります。」とサクッと言った。
いや、今日確認出来へんのかい。
汗だくで渋谷を歩き回ったのに。黒いTシャツには塩が吹いている。でも、こんなにワクワクしたり夢中になったはいつぶりだろう。歳を取っても新しいことは楽しい。そんなことを想いながら道玄坂を三茶方面に歩いて家路につく。
途中、切らしていた洗濯用洗剤と歯ブラシをドンキホーテで購入。松屋の横を通りかかる。ごろごろ煮込みチキンカレーが再販されている。嬉しい。すぐさま入店しチケットを購入。590円。席について先程手渡された用紙のQRコードにカメラを向け、なんとなくページを読み込んでみる。と、先程撮影した写真が確認出来るようになっている。既に現像とデータ化を終え、アップロードしてくれていたようだ。嬉しい。ありがとう、カメラのキタムラ。
(変え方が分からず写真の日付が全て「'94 1 1」になっているのはご愛嬌、ということで。)
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